
「分散投資が大切」とはよく言われますが、不動産投資の”中で”分散することを意識したことがあるでしょうか。
たとえば株式と債券であれば、国内と海外、業種や格付けなど——投資の世界で“分散”は常識のように語られます。ところが不動産については、「不動産投資をしている」のひとことで済まされがち。
実際には、底地・レジデンス・ホテル・オフィス・商業施設で、収益の出方、景気との連動、リスクの性格——どれをとってもまったく違います。
この記事では、オルタナで取り扱ってきた5つのアセットタイプを整理しながら、それぞれの性格と組み合わせの考え方を見ていきます。
それぞれのアセットは、支える需要要因が異なります。
レジデンスを支えるのは「人が住む」というニーズ。景気の良し悪しに関わらず一定の需要が見込めます。
オフィスは企業活動と連動し、景気サイクルや働き方の変化からの影響を受けやすい性格を持つアセット。
ホテルは観光・インバウンド需要に直結し、商業施設は地域の生活基盤や消費動向と結びつきます。底地は、土地の上で事業を営む企業との長期契約が収益の源です。
違う要因で動くアセットを組み合わせることで、経済環境の変化で収益が一斉に悪化しにくくなります。リスクの相関を下げてポートフォリオ全体の安定性を高める——これがアセット分散の基本的な発想です。

賃貸住宅を保有し、入居者からの賃料を収益源にするアセット。最大の特徴は、景気変動の影響を受けにくいことです。
「住む」というニーズは景気に関わらず継続し、住宅家賃は相対的に下がりにくい性格を持っています。
入居者の入れ替わり時に賃料が市場賃料に応じて見直されやすく、インフレ局面では恩恵を受けやすい一面も。実際、東京23区の賃貸住宅の㎡単価は2021年から2026年の5年間で約24%上昇しています(※1)。
オルタナのレジデンス案件の特徴は、主に都内や主要都市の人気エリアの築浅マンションを一棟まるごと投資対象にできる点。戸数が多い分、空室や賃料下落のリスクも分散されやすい構造です。

宿泊施設を保有し、運営事業者からの賃料を収益源にするアセット。賃料契約には固定賃料型と変動賃料型があり、案件の性格を大きく左右します。
固定賃料型であれば、キャッシュフローの安定性はレジデンスに近い位置づけです。一方、変動賃料型は稼働率や宿泊単価に連動するため、観光需要の波をダイレクトに受けます。
観光庁の宿泊旅行統計調査によれば、2025年の外国人延べ宿泊者数は約1億7,787万人泊(前年比+8.2%)と過去最高を更新しており(※2)、変動賃料型ではこうした追い風が収益の上振れにつながる可能性があります。

オフィスビルを保有し、テナント企業からの賃料を収益源にするアセット。5つのアセットタイプの中では景気感応度がやや高めですが、好立地・大規模・ハイグレードな物件は景気局面が変わっても底堅い需要が見込まれます。
代表的な指標として、東京都心5区の空室率は2026年4月時点で2.20%まで低下し、平均賃料は前年同月比で8%超の上昇を記録しています(※3)。

ショッピングモール等を保有し、運営事業者やテナントからの賃料を収益源にするアセット。地域の生活基盤と密接にリンクしており、ファミリー層を中心に安定的な集客が見込まれます。
賃料契約はマスターリース契約(多くは固定賃料型)が採用されており、キャッシュフローの読みやすさが魅力です。一方、人口動態や消費トレンドの変化など、長期的な需要要因には注意が必要です。
借地権が設定された土地の所有権を指します。建物は借地人が所有・運営し、土地の所有者は地代を受け取る「地主」の立場で投資する形です。建物の管理や空室リスクから切り離されているため、維持コストが低く運用の手間も少なめです。
事業用定期借地権(借地借家法第23条、存続期間10年以上50年未満)のもと数十年単位の契約が結ばれ、地代の上振れ余地は限定的ですが、収益の予見性は5つのアセットタイプの中でも特に高いといえるでしょう。
なお、商業施設と底地は混同されがちですが、底地は「土地のみ」、商業施設は「建物を含む施設全体」を所有する形。収益の源泉もリスクの性格も異なります。
アセットタイプに加えて、もう一つ重要な分散軸があります。賃料の発生メカニズムです。
固定賃料型は、契約期間中の賃料があらかじめ決まっている形式。底地、商業施設のマスターリース、ホテルやオフィスの固定賃料契約などで採用されます。
テナント企業の信用力に裏付けられたキャッシュフローが読みやすい反面、業績好調時の上振れは限定的。例えるなら“定期預金的”な性格でしょうか。
変動賃料型は、稼働率や売上に連動して賃料が変動する形式。ホテルでよく見られ、観光需要が好調なときには上振れが期待できる一方、需要減少時には収入も減ります。“業績連動ボーナス的”なイメージです。
面白いのは、同じホテルでも、固定賃料案件と変動賃料案件ではリスク・リターンの性格がまったく違うこと。「アセットタイプ=ホテル」だけ見て一括りにすると、こうした重要な違いを見落としかねません。
「守り」を厚くしたい方は、底地やレジデンス、商業施設のマスターリース案件を軸に。「上振れ余地もほしい」という方は、ホテルの変動賃料型を一部組み込むことで、観光需要の追い風を取りに行くこともできます。
景気サイクルへの感応度を分散したいなら、ディフェンシブ系(底地・レジデンス)とシクリカル系(景気循環型:ホテル・オフィス)を組み合わせる考え方もあるでしょう。
商業施設は業態や立地によって性格が分かれますが、日常生活に根ざした施設であれば比較的安定した需要が見込めます。
最適な配分は人それぞれ。オルタナなら、これら5つのアセットに原則10万円からアクセスできます。ご自身の運用目的やリスク許容度に合わせて、無理のない範囲で組み合わせてみてください。
※1 出所:公益財団法人東日本不動産流通機構(レインズ)「首都圏賃貸居住用物件の取引動向」(2021年1〜3月期・2026年1〜3月期)
※2 出所:国土交通省観光庁「宿泊旅行統計調査」2025年年間値(速報値)
※3 出所:三鬼商事 オフィスマーケットデータ(2026年4月時点)
※本記事は資産運用に関する情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の購入・売却を推奨するものではありません。ALTERNA(オルタナ)で取り扱う商品は金融商品取引法に基づく有価証券であり、元本保証や将来の投資成果を保証するものではありません。不動産市場の変動、金利変動、空室リスク、売却リスク等により、想定利回りを下回る場合や元本を毀損するおそれがあります。また、商品ごとに所定の手数料や諸経費等をご負担いただく場合があります。投資判断はご自身の責任において、各案件の目論見書・契約締結前交付書面等をご確認のうえ行ってください。記載内容は執筆時点の情報に基づきます。
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