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元本払戻金(利益超過分配)って何ですか?にお答えします!

元本払戻金(利益超過分配)って何ですか?にお答えします!

オルタナの案件詳細ページに記載されている「予想分配金」には、「利益分配」と「元本払戻金(利益超過分配)」の2つが含まれていることをご存知でしょうか。

予想分配金 = 利益分配 + 元本払戻金(利益超過分配)

「元本払戻金(利益超過分配)って何?」、「タコ足配当じゃないの?」と疑問を感じる方もいらっしゃるかもしれません。

結論からお伝えすると——

元本払戻金(利益超過分配)は、会計上は利益に分類されていない資金からお支払いしている分配金です。

減価償却費のように 「会計上は費用として処理されるが、実際の現金支出を伴わないもの」 を原資としているため、本来であれば償還まで手元に寝かせておく資金を、運用期間中に前倒しでお返ししているというのが正確な姿です。

そのため、運用期間全体で見た税引後の受取総額に大きな差分は生じない一方、期中の現金受取額が増え、再投資など投資家のみなさまの資金効率を高めることにつながる仕組みになっています。

このコラムでは、こうした不安や疑問——「そもそも減価償却費とは何か」「なぜ会計上の利益を超える分配を行うのか」「税務上はどう取り扱われるのか」——に正面からお答えしながら、オルタナの分配金の仕組みを丁寧に解きほぐしていきます。Part 1ではそのきほんを、Part 2では税務上の取扱いも含めた深掘りをお届けします。


Part 1|まずはここから|元本払戻金(利益超過分配)の「きほん」

1-1. 予想分配金の内訳

オルタナの案件詳細ページに表示されている予想分配金は、賃料収入などを原資として、運用期間中に投資家のみなさまへお支払いすることを見込んでいる分配金の予想値です。そして、この 予想分配金は、「利益分配」と「元本払戻金(利益超過分配)」の2つを合計したもの です。

  • 利益分配:賃料収入などから諸費用を控除した会計上の利益を原資として、投資家のみなさまにお支払いする分配金です。

  • 元本払戻金(利益超過分配):会計上は費用として計上されているものの、実際には現金支出を伴わない費用(減価償却費や償却費など)に相当する資金を原資として、投資家のみなさまにお支払いする分配金です。

なお、オルタナで表示している予想分配金は、運用報酬・信託報酬などの諸費用を差し引いたの数値ですが、税引前の金額です。そのため、実際にお手元に届く金額は、ここから所得税・住民税を差し引いたものとなります。

※予想分配金は現時点での事業計画に基づく予想値であり、将来の分配金額を保証するものではありません。

1-2. 減価償却費・償却費とは?~「現金支出を伴わない費用」の正体~

利益分配と元本払戻金(利益超過分配)の違いを理解する鍵は、「現金支出を伴わない費用」にあります。オルタナのファンドでは、その代表例として、性質の異なる2つが登場します。まずはこの二つを、別々に整理しておきましょう。

A. 不動産の減価償却費~経年劣化に伴う費用配分~

こちらは、「不動産」という資産に関する会計上の費用配分です。

減価償却費とは、建物などの長期にわたって使う資産を取得した際、その取得費用を一度に費用化せず、使用できる期間(経済的耐用年数)にわたって少しずつ費用として配分するための会計上の処理です。建物の経年劣化(使い古し)を会計上のルールに沿って各期に割り振る処理、とお考えいただくとわかりやすいかもしれません。

具体例で見てみましょう。たとえば、ファンドが10億円の建物を取得し、その経済的耐用年数が50年だったとします。この場合、会計上の処理は次のようになります。

  • 取得時:10億円の現金を実際に支出(ファンドから現金が出ていく)

  • 取得後の各期:年間2,000万円(=10億円 ÷ 50年)を「減価償却費」として費用計上(会計上は費用だが、現金は1円も出ていかない)

つまり、実際に現金が動くのは取得時の1回だけで、その後50年間にわたって計上される「減価償却費」は帳簿上だけの費用処理です。毎期の会計上の利益は減価償却費の分だけ押し下げられますが、ファンドには、その押し下げ額に相当する現金がそのまま残っていることになります。

B. ファンド初期費用の償却費

こちらは、不動産とは別に、「ファンドそのもの」の立ち上げにかかる初期費用に関する会計上の処理です。

ファンドを立ち上げる際には、ローンや信託報酬のアップフロント分、組成費用、各種専門家フィー(リーガル・税務・会計)、販売資料作成費用など、ファンド開始時にまとめて発生する初期費用があります。これらは、発生時に一度に費用化されるのではなく、会計のルール上、ファンドの運用期間に応じて各期に配分されて費用化(償却)されます。

ここでのポイントは、Aで見た「経済的耐用年数に基づく不動産の減価償却」とは別物ということです。Bは不動産の経年劣化とは関係がなく、あくまでファンド側の運用期間に応じた費用配分です。ただし、「会計上は各期の費用として計上される一方で、当該期に新たな現金支出は生じない」という点は、Aの減価償却費と共通します。

(個別の費目の内訳は Part 2-1 で詳しくご紹介します)

共通点|AもBも「会計上は費用、でも現金は出ていかない」

Aの不動産の減価償却費も、Bのファンド初期費用の償却費も、会計上は費用として利益を押し下げる一方、当該期にファンドから現金は出ていきません。そのため、ファンドの手元には、その押し下げ額に相当する現金がそのまま残ることになります。

この 「現金支出を伴わない費用」に相当して手元に残る資金 こそが、次節で見る元本払戻金(利益超過分配)の原資となります。

1-3. 元本払戻金(利益超過分配)とは

元本払戻金(利益超過分配)とは、簡単に言えば、「会計上は費用として計上されるが、実際にはファンドから現金が出ていかない費用」に相当して手元に残る資金を原資として、運用期間中にお支払いする分配金のことです。原資となるのは、いま1-2で見た A. 不動産の減価償却費B. ファンド初期費用の償却費 です。

利益分配と元本払戻金(利益超過分配)の関係を式で表すと、次のようになります。

この「現金支出を伴わない費用」に相当する資金分を、償還まで寝かせておくのではなく、運用期間中に投資家のみなさまへ前倒しでお支払いする——これが、元本払戻金(利益超過分配)の基本的な考え方です。

1-4. なぜ元本払戻金(利益超過分配)が発生するのか

「会計上の利益を超える金額を分配して、ファンドの財務は大丈夫なのか?」「減価償却が進むのだから、その分保有不動産の価値は目減りしているのではないか?」と感じられる方もいらっしゃるかもしれません。

ここでは、元本払戻金(利益超過分配)が発生する理由を、2つの視点から整理します。

視点①|「減価償却が進む」と「資産価値が目減りする」は別物

減価償却はあくまで会計上のルールに基づく費用配分であり、保有不動産の実体的な市場価値が同額だけ毀損していることを意味するものではありません。

個別の物件・時期によって状況は異なりますが、一般的には、運用期間中に実際に必要となる修繕・工事費の額は、同期間に計上される減価償却費よりも小さいケースが多いのが実情です。

したがって、減価償却費として計上された分の資金をすべて「価値毀損を埋めるための積立」として手元に置いておく必要はなく、その一部を運用期間中に投資家のみなさまへ前倒しでお返ししても、一般的にはファンドの財務健全性に支障は生じません

視点②|「余った資金」を「寝かせるか・前倒しでお返しするか」の選択

1-3で見たとおり、「会計上は費用、でも現金は出ていかない費用」が毎期発生する結果、ファンドの手元には会計上の利益を超える現金が残っている状態になっています。この「余った資金」の扱いには、大きく2つの選択肢があります。

  1. 償還まで寝かせておく:運用期間(数年~十数年)にわたって、現金をファンド内に滞留させたまま、最後の償還時に一括でお返しする。

  2. 運用期間中に前倒しでお返しする:毎期、減価償却費等に相当する金額を元本払戻金(利益超過分配)として投資家のみなさまへお支払いする。

オルタナでは、投資家のみなさまの資金効率を高めるために、②の設計を採用しています。償還まで何年も手元に塞ぎ込まれるより、運用期間中に少しずつ投資家のみなさまにお返しする方が、再投資や他の用途への活用がしやすく、お金の時間価値も活かせるためです。

なお、運用期間全体で受け取る金額の総額は、①②いずれの設計でも大きくは変わりません。元本払戻金(利益超過分配)は、「将来受け取るはずだった資金」を前倒しでお受け取りいただく仕組みであり、リターンそのものを増減させるものではないからです。

以上の2つの視点から、オルタナのファンドで「利益を超える分配」を行うことには、財務上の正当性(価値毀損を埋めるための資金を必要以上に手元に残しておく必要はない)と投資家価値上の合理性(資金効率を高める)の両方がある、とご理解いただければと思います。

1-5. よくあるご質問

Q1. 元本払戻金(利益超過分配)が発生すると、償還時の元本や、期中の分配金が減るのでしょうか?

元本払戻金(利益超過分配)が出たからといって、償還金額や期中の分配金が自動的に減るわけではありません

ただし、償還金額・分配金は運用実績(売却価格、賃料収入、費用など)によって変動するため、元本の保全や償還金額の保証を意味するものではありません

  • 償還金額について:償還金額は、運用期間満了時の不動産売却価格などをもとに算出されます。税務上の取得価額(平均取得単価)は元本払戻金(利益超過分配)の発生に応じて調整されますが、償還金額は最終的には資産の売却価格等の運用結果に基づいて決まります

  • 期中の分配金について:各期の分配金は、ファンドが保有する不動産から得られる賃料収入などをもとに算出されます。分配金は、投資家のみなさまが保有される口数に応じてお支払いしているもので、元本払戻金(利益超過分配)が発生することのみを理由に、1口当たりの分配金が一定割合で減る、といったものではありません

Q2. 予想分配金に「元本払戻金(利益超過分配)」が含まれているということは、実質的なリターンは表示されている金額より低いのでしょうか?

いいえ。運用期間全体での税引後の受取総額には大きな差分は生じない設計です。元本払戻金(利益超過分配)は、運用期間中に発生する「会計上は費用だが現金支出を伴わないもの」を原資としており、本来はファンド内に積み上がる資金を、償還を待たずに前倒しでお支払いしているものです。

Q3. 決算報告などの書類で、どのように記載されますか?

決算報告書において、分配金の内訳として「元本払戻金(利益超過分配)」が明示されます。また、平均取得単価の調整に関する情報も併せて記載されます。

1-6. Part 1のまとめ

  • 予想分配金 = 利益分配 + 元本払戻金(利益超過分配)

  • 元本払戻金(利益超過分配)の原資は、会計上は費用として処理されるが現金支出を伴わない費用(減価償却費・ファンドの償却費など)

  • 「元本が削られている」のではなく、償還まで残るはずの資金を運用期間中に前倒しでお支払いしている仕組み

  • 元本払戻金(利益超過分配)を受け取っても、運用期間全体で見た税引後の受取総額に大きな差分は生じません

一方で、投資家のみなさまには以下のメリットがあります。

  • 期中の現金受取額が増える(利益分配のみを原資とする場合に比べ、運用期間中の分配金額が大きくなる)

  • 償還を待たず、早期の資金回収・再投資が可能

  • 元本払戻金(利益超過分配)相当分は「利益の配当」ではないため、原則として運用期間中の分配金のうち当該部分は配当所得としては課税されない

以上の内容を踏まえ、利益分配元本払戻金(利益超過分配)の違いを一枚の表に整理しました。

本コラムが、オルタナの分配金の仕組みを正しくご理解いただく一助となれば幸いです。

ここまでで、元本払戻金(利益超過分配)の基本的な仕組みはご理解いただけたかと思います。税務上の取扱いや、原資となる費用の具体的な内訳など、より詳しくお知りになりたい方は、続くPart 2をご覧ください。


Part 2|もっと詳しく知りたい方へ|元本払戻金(利益超過分配)の「深掘り」

ここからは、税務上の取扱いや会計処理など、やや専門的な内容を扱います。Part 1で十分にご理解いただけた方は、必要に応じて読み飛ばしてください。

2-1. 元本払戻金(利益超過分配)の原資となる費用|具体的な費目

Part 1(1-2)でご説明したとおり、元本払戻金(利益超過分配)の原資となるのは、会計上は費用として処理されるが現金支出を伴わないもの——すなわち、A. 不動産の減価償却費B. ファンド初期費用の償却費です。

ここでは、このうちB. ファンド初期費用に含まれる主な費目を、参考までにご紹介します。

これらはいずれもファンド開始時に一度発生する費用ですが、運用期間に応じて各期に配分されて費用化されるため、当該期に新たな現金支出は伴いません。したがって、Aの減価償却費とあわせて、元本払戻金(利益超過分配)の原資を構成します。

2-2. 税務上の取扱い 〜みなし譲渡損益と取得価額の調整〜

2026年4月1日以降、税制改正により、分配金のうち当期未処分利益を超える分配は、税務上「利益の配当」ではなく元本の払戻しとして整理される前提となりました。これに伴い、元本払戻金(利益超過分配)にあたる部分について、以下のような税務上の取扱いが行われます。

① みなし譲渡損益の発生

元本払戻金(利益超過分配)は、税法上「受益権の一部譲渡」とみなされます。そのため、売却・償還を行っていなくても、分配のタイミングでみなし譲渡損益(譲渡所得等)が発生する可能性があります。

イメージとしては、「投資した1万円のうち、一部(例:34円)を途中で返金してもらったので、現在の投資額は9,966円になりました」と、税務上の記録を書き換える手続きのようなものです。損をしているわけではありません

② 平均取得単価の調整(再計算)

元本払戻金(利益超過分配)が発生すると、税法の規定により、平均取得単価(取得価額)が調整(再計算)されます。たとえば、1口当たり1万円で取得した受益証券について、ある期に1口当たり34円の元本払戻金(利益超過分配)が発生した場合、税務上の取得価額はその分減少します。

新しい取得価額 = 従前の取得価額 −(従前の取得価額 × 元本減少割合)

※ 元本減少割合 = その払戻しにより減少した元本額 ÷ 払戻し直前の元本額

調整後の取得価額は、将来、ご売却または償還により実際の譲渡損益を計算する際の基準となります。つまり、運用期間中に元本払戻金(利益超過分配)として受け取った分は、最終的な譲渡損益の計算に織り込まれる形になります。

③ 確定申告について

分配時にみなし譲渡益が発生した場合、特定口座(源泉徴収なし)をご利用のお客様は、原則として確定申告が必要となる場合があります。

具体的な税務上のお取扱いは、税法等の改正やお客様個々の事情により異なる場合があります。実際の申告の際は、税理士・税務署等の専門家へご相談ください。

税制改正の詳細については、こちらもご参照ください。

【ご留意事項】

・ALTERNA(オルタナ)は、不動産等を裏付けとする受益証券発行信託受益権を電子的に発行・取引するサービスです。元本が保証されているものではありません。想定利回りは税引前・年率の数値であり、確定利回りを示すものではなく、運用状況により変動・毀損する可能性があります。詳細は各商品ページの契約締結前交付書面等を必ずご確認ください。

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執筆者

オルタナ編集部

三井物産デジタル・アセットマネジメント

三井物産グループが提供する資産運用サービス「オルタナ(ALTERNA)」を運営中。オルタナや資産運用に関するコラムを発信しています。

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