「インデックス投資をやっていますが、オルタナを始めるメリットありますか?」にお答えします!
※本記事は、ALTERNA(オルタナ)のお問い合わせなどに寄せられたご質問・ご意見に、ALTERNAの中の人(三井物産デジタル・アセットマネジメントの社員)が赤裸々にお答えしていくコンテンツです。
今回のご質問は、こちら。
「S&P500などのインデックス投資をやっていますが、オルタナを始めるメリットありますか?」
インデックス商品、いいですよね。私の周りにも、低コストの株式指数に連動したETFを積立的に買っていらっしゃる方が多い印象です。
しかし、資産運用の世界には「卵を一つのかごに盛るな(Don’t put all eggs in one basket)」ということわざがあります。有名なのでご存知の方も多いかもしれません。
これは、性質や値動きの異なる複数の資産に分散して運用することにより、何か1つの資産のパフォーマンスが悪化してしまっても、リスクが分散できているので安定的な運用成果を目指すことができる、というものです。
このコラムの読者の中には、この「分散投資」の重要性をご存知の方も多いと思いますが、実際「プロ」と言われる機関投資家も、様々なリスクを想定して資産分散を行なっています。
上場株式(またはその指数に連動する商品)を保有している方にとって、オルタナの不動産デジタル証券は分散投資先の候補の1つとして「アリ」かもしれない。そんなお話ができればと思っています。
まとめ
- 資産運用のパフォーマンスを安定させるには分散投資が重要。パフォーマンス(収益)を安定させるには、リスク(リターンのブレ幅)を抑えることが大事です。
- 株式指数に連動する商品は、期待リターンが大きい一方でリスクが高い傾向があり、売却タイミングによっては元本を毀損してしまう可能性が相対的に高いと言えます。また、REITは同じく不動産が投資対象ですが、株式指数と同等以上のリスクがあると言えます。
- 一方、債券や不動産は相対的にリスクが低い傾向があり、その中でも実物不動産は債券以上のリターンが期待できる優秀な資産クラスです。
- 世界の機関投資家は、上場株式・債券に加えて、不動産を含むオルタナティブ投資をポートフォリオに組み入れており、その最大の理由は「資産分散」です。
- オルタナで取り扱う商品(不動産デジタル証券)は、「実物不動産らしいリスク・リターン」を持っており、価格変動リスクを抑えた堅実な資産形成を志向する方にとっては、良い分散投資先の1つと言えるでしょう。
No.1は当てられない?
突然ですが、以下の表をご覧ください。(拡大しないと少し見づらいかもしれません・・・)
これは世界最大の機関投資家とも言われる年金積立金管理運用独立行政法人(通称GPIF、みなさんの年金を運用している機関)が公表しているもので、国内債券、国内株式、外国債券、外国株式、これらの4資産への分散投資の5つの中で、各年の「リターンの順序」を示したものです。
詳細はGPIFのHPを見て頂ければと思いますが、ここから以下のようなことが読み取れるかと思います。
- 毎年、1位の資産クラスを当て続けることは困難。
- 4資産に分散投資したポートフォリオでは、1位になることはなかったものの、ビリ(5位)になることはなかった。
このように、資産運用で安定したパフォーマンスを出すためには「分散投資が大事」ということを改めてご理解いただけたかと思います。
資産運用のリスク・リターン
ここで資産運用の「リスク」と「リターン」について、おさらいしておきましょう。
これは、日本証券業協会のサイトの説明がとても分かりやすいので、引用します。
———引用———
金融商品の「リスク」とは「リターンが不確実である」こと。
金融商品のリターンとは、「資産運用を行うことで得られる収益」のことです。一方、金融商品のリスクとは、一般的な「危険なこと」「避けるべきこと」という意味ではなく、「リターンが不確実である(予測できない)こと」を表します。不確実の度合い(振れ幅)が大きいことを「リスクが大きい」、小さいことを「リスクが小さい」といいます。
つまり、「リスクが大きい」とは、「大きく収益が得られるかもしれないし、大きく損失が出るかもしれない」という意味です。
「リスク」と「リターン」は比例します。 リスクを低く抑えようとするとリターンは低下し、高いリターンを得ようとするとリスクも高まります。したがって、「リスクがなく(低く)、リターンが高い=ローリスク・ハイリターン」の金融商品は存在しません。
————————
まとめると、
- リスクとはリターンの「ブレ幅」のこと
- リスクとリターンは一般的に相関関係がある(リターンが高い=リスクも高い)
ということになります。この2つは是非覚えて頂けると幸いです。
世の中の商品のリスク・リターンは?
では、世の中にある商品のリスク・リターンについて、もう少し詳しく見ていきましょう。
以下は、株式(国内・米国・日本除く外国)、債券(国内・外国)、REIT(国内・日本除く外国)、実物不動産(国内)、外貨(米国ドル)のリスク・リターンをまとめたものになります。
各商品のリスク・リターン表
※リターン:対象期間の累積リターンを年換算したもの
※リスク:対象期間の累積リターンの標準偏差を年換算したもの
※対象期間は2003年4月〜2023年9月(月次、国内実物不動産については一部速報値を含む)
※全て円ベース、株式・REITについては配当(インカム)込
※データは、各資産クラスの代表的な指数を使用しています。(例:国内株式はTOPIXを使用)
※不動産鑑定評価に基づく実物不動産投資インデックスは、変動性が低くなる性質(スムージング効果)があることが知られているなど、必要に応じ、リスク過小評価の修正が必要となる場合も想定されます。ただし、その修正を行なった場合でも、実物不動産はREITに比べて標準偏差が小さい(リスクが低い)と指摘する論文があります
株式・REITは、リスクをとってリターンを狙う商品
このコラム読者には、株式指数に連動した商品を購入されている人も多いのではないでしょうか。そういった商品は、以下のリスク・リターンマップの中では「右上」に位置しており「リターンは見込めるがリスクもある商品」と言うことができるかと思います。
また、REIT(不動産投資信託)も不動産が投資対象でありながら、同じカテゴリの中に入っているのも特徴的です。実際、以下のグラフの通り、国内株式と国内REITの値動きには、かなり相関があります。
国内株式と国内REITの価格推移
※2003年3月末の価格を1として指数化したもの
これらの資産は、中長期的に見れば高いリターンが期待できる一方、特定の期間で見ると、大幅な価格下落リスクを抱えており、売却の時期によっては元本を大きく毀損してしまうリスクがあります。
リスクを抑えるなら、債券や実物不動産
一方、リスクを抑えた商品群は、以下のリスク・リターンマップの「左側」に位置しているものです。具体的には、債券や国内実物不動産といった商品です。
中でも、国内実物不動産は(前提として、ファンド化されるようなクオリティの高い不動産であることや、換金性が相対的に低いといった制約はあるものの)同じカテゴリーの中でも、債券等に比べて、高いリターンを期待することができると言えます。
国内実物不動産や債券等の価格推移
※2003年3月末の価格を1として指数化したもの
これらの資産は、株式などに比べてリターンはマイルドな一方で、リスクを抑えた商品と言うことができ、安定的な資産運用のために重要となる資産クラスということができるでしょう。
世界の機関投資家も注目する「オルタナティブ資産」への分散投資
ここまで資産クラスによる特徴を見てきましたが、ここで視点を変えて、世界の機関投資家(プロ投資家)がどんな投資をしているのかを見てみましょう。
先に結論を言ってしまうと、世界の機関投資家は上場株式・債券はもちろん、それ以外の資産(オルタナティブ資産といいます)への投資を拡大しており、例えば、ハーバード大学の大学基金では、74%程度の資産をオルタナティブ資産に投資をしており、伝統資産である株式や債券への投資は30%未満の水準となっています。
「ALLOCATOR」のデータを基に当社作成
ここまで「投資のプロ」である機関投資家がオルタナティブ投資に注目する理由は、前述した分散投資による安定的な資産運用を実現するためだと考えられます。
実際、米国で個人の投資家にオルタナティブ投資の機会を提供するiCapital社が行った機関投資家向けのアンケートによると、その60%以上が、
「Diversification(ポートフォリオの分散)」
をオルタナティブ資産に投資する理由として挙げています。
また、オルタナティブ資産には様々なものがありますが、その代表格の1つが「不動産」であり、例えばGPIFもオルタナティブ資産の中で、その3割以上が不動産であることが知られています。
※GPIF資料を元に当社作成
個人投資家の皆様が必ずしも機関投資家と同じ投資内容にする必要はありませんが、上記のようなオルタナティブ投資を含めた資産運用を行うことは、資産運用のパフォーマンス安定化に繋がる可能性があると考えています。
また、特に株式(または株式指数に連動する商品)を保有されている方には、分散投資とリスクの観点を考慮すると、価格が日々変化せず、株式市場の影響を受けづらいもの(不動産などの実物資産裏付けの証券化商品など)が有望な選択肢の1つになると当社は考えています。
実物不動産「らしい」リスク・リターンの商品を
しかしながら、不動産投資(特にプロが扱うような比較的大型の不動産への投資)については、個人投資家の皆様には、これまでなかなか投資機会がありませんでした。
このような資産運用の「機会の負」を解決するべく生まれたのがオルタナです。
オルタナでは、個人投資家の皆様が、三井物産グループが厳選した不動産を1口10万円から購入いただけます。価格についても、株式市場の影響を受けて毎日価格変動することはありません。不動産価格(正確には鑑定評価額)を元に基準価格が算出され、本来の不動産価格の動きに近い商品作りをしています。(詳しくは、オルタナの案件詳細ページや、当社の過去のセミナーなどをご覧ください!)
リスク・リターンのお好みは人それぞれではありますが、より良い分散投資の選択肢として、ぜひオルタナをご活用ください。
まとめ(再掲)
- 資産運用のパフォーマンスを安定させるには分散投資が重要。パフォーマンス(収益)を安定させるには、リスク(リターンのブレ幅)を抑えることが大事です。
- 株式指数に連動する商品は、期待リターンが大きい一方でリスクが高い傾向があり、売却タイミングによっては元本を毀損してしまう可能性が相対的に高いと言えます。また、REITは同じく不動産が投資対象ですが、株式指数と同等以上のリスクがあると言えます。
- 一方、債券や不動産は相対的にリスクが低い傾向があり、その中でも実物不動産は債券以上のリターンが期待できる優秀な資産クラスです。
- 世界の機関投資家は、上場株式・債券に加えて、不動産を含むオルタナティブ投資をポートフォリオに組み入れており、その最大の理由は「資産分散」です。
- オルタナで取り扱う商品(不動産デジタル証券)は、「実物不動産らしいリスク・リターン」を持っており、価格変動リスクを抑えた堅実な資産形成を志向する方にとっては、良い分散投資先の1つと言えるでしょう。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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(注)当コラムは信頼できると判断した各種情報等に基づき作成していますが、その正確性、完全性を保証するものではありません。