学びコラム

不動産デジタル証券の特徴を知る:J-REITとの違いとは?
はじめに
本記事は、ALTERNA(オルタナ)のLINE公式アカウントに配信された「ALTERNAブログ」の内容を一部編集し、転載されたものです。
この記事に書いてあること
- 不動産投資の手法には多様な種類があり、それぞれ異なる特徴を有しています。
- 不動産デジタル証券は、不動産投資の代表的な手法の一つであるJ-REIT同様、不動産から得られる賃料から利益を配当する金融商品です
- J-REITとの主な違いは「投資物件数」と「元本変動(安定性)」で、お好きな物件に小口投資ができ、不動産価値に紐づいた価格で取引できます
様々ある不動産投資の手法
ALTERNAでは、主に不動産などを投資対象としたデジタル証券をご提供していく予定です。
不動産への投資手法は、投資用マンション等を直接購入する現物投資に限らず、J-REIT、不動産クラウドファンディングとさまざまな手法が登場してきています。
最も新しい投資手法である不動産デジタル証券は、従来手法に比べ相対的にバランスの良い商品性を備えていると考えています。次節以降で細かく解説していきます。
不動産デジタル証券とJ-REITとの共通点
不動産投資手法の中で代表的なものにJ-REITがあります。
REITとは「Real Estate Investment Trust」の頭文字をとった略称で、日本語の正規名称は「不動産投資信託」となります。
もともとアメリカで生まれたリートの仕組みですが、日本では、JAPANのJを加えて「J-REIT」と呼ばれています。
ここではJ-REITについての詳しい解説は割愛しますが、興味がある方は、コチラをご覧ください。
デジタル証券も、J-REITや別記事でご紹介する不動産クラウドファンディングも、不動産を投資対象としており、かつ小口で投資できる金融商品という点では同じです。

不動産デジタル証券とJ-REITの違い
では、デジタル証券固有の特徴は何なのでしょうか。
答えは、デジタル証券が「個別もしくは少数不動産に投資が可能で、且つ非上場商品であるため、需給による価格変動の影響を受けない」ことです。

2022年12月末現在、61銘柄あるJ-REITでは、4,550件(*)の物件を運用しています。単純計算で、1銘柄当たりの平均運用物件数は75件と多岐にわたります。
物件の内訳も、エリア・種類が多様なため、何に投資をしているのかが分かりづらいという面があります。
一方デジタル証券は、単一または少数の物件に投資できます。J-REITとは異なり、自分好みの物件を選択することができるのです。
もちろん投資対象数が少ないことが必ずしも良いわけではありません。投資の分散効果を得るためには、複数の商品を組み合わせたポートフォリオを構築する必要があります。デジタル証券ではご自身で個別に商品を組み合わせてポートフォリオを構築いただくことになります。
次に値動きについてです。上場しているということは、日次で現金化できる(=流動性がある)一方で、日々の価格変動にさらされることになります。
つまり、賃料などは安定して入ってきており不動産価値そのものが変動していなくとも、株式などの金融マーケットの動きに連動して大きな値動きをしてしまう可能性があるのです。
不動産デジタル証券は非上場のため、日々の取引価格ではなく不動産価値そのものを基準として価格(Net Asset Value=NAV)が算出され、このNAVを基準に取引されます。

逆にいえばデジタル証券は、日々の価格変動にさらされない代わりに、売却時の大きな利益(キャピタルゲインと言います)に期待はできません。安定的なインカムゲインの獲得を狙う商品です。
また、流動性については現状年2回程度、売却申入れ機会が設けられ、その際売り先とのマッチングが成立した場合に売却=>現金化が可能です(※)。将来的なデジタル証券のマーケットの広がりに応じた流動性の高まりが期待されます。
※2023年5月現在、デジタル証券の流動性(換金性)は限定的であり、売却したい時期に必ずしも売却できる訳ではない点にご留意下さい。